アヴァンギャルド

「現代の"アヴァンギャルド"(実験的、革新的な作品や人々)とは、なにか。」を探求するWebメディアです。コラムやインタビュー、イベントレポートなどを発信していきます。

わたしが苦しいのって "わたしのせい" なの?

2020年10月31日(土)に大阪市中央公会堂において開催された「マツリゴト OSAKA 2020 The Forum」についてのレポートをお届けします。

このイベントは一般社団法人UMFが主催し、いわゆる大阪都構想大阪市廃止・特別区設置)住民投票投票率を向上を目指し、開催されました。

本セッションでは「わたしと社会」と題し、自分自身と社会との関わりについて『社会課題×エンターテインメント』の具体例を挙げながら参加者ひとりひとりが理解を深め、行動を起こすキッカケ作りを目指し、社会課題の解決に取り組む起業家(一般社団法人リディラバ 代表理事 安部敏樹さん、Tomoshi Bito株式会社 代表取締役 廣瀬智之さん)とともにモデレーターである一般社団法人UMF 代表理事 高村治輝と話し合いました。

 

なお、オンライン配信のアーカイブもありますので、ラジオ感覚で聞きたい方はぜひこちらからご覧ください。

 

この記事のPoint!

社会課題を解決する事業を行う起業家たちのアクションと問題意識を知ることができる
・主催者のイベントへの狙いがわかる

 

Dialogue.1-1 「わたしと社会」〜プロローグ〜 書き起こし

高村)
みなさん、こんにちは。一般社団法人UMF代表理事を務めております、高村治輝と申します。本日はですね、このイベントにお集まりいただき、そしてyoutube上でもご覧いただき本当にありがとうございます。このプロジェクトはですね、選挙の投票率の向上のプロジェクトでですね、その中でなかなか直接「選挙行ってね」とか「大事だよ」って言っても伝わらないものだと思いますので、それだったらみんなが行きたくなるものを作ろうじゃないかと、それだったら選挙をお祭りにしようじゃないかというようなプロジェクトです。

今回のThe Forum、そしてThe Festivalこの2日間行っていくわけなんですけれども、このフォーラムでは皆さんに学びを深めていただきつつ、その中で明日からちょっと希望が持てるような、楽しくなるようなそんな知識だったり情報というのを提供したり、そしてプレゼンターのすごく熱のこもったプレゼンもありますのでそれを刺激としてもらって豊かな生活になればいいなと思って企画しております。本日はどうぞよろしくお願いします。

ということでですね、最初の企画が『わたしと社会』というテーマで行っていきます。その中でまずは今回の対談にご登壇いただく人たちをご紹介させていただきます。まず1人目はTomoshi Bito 廣瀬智之さんです、どうぞ!

高村)
今日ははるばる福岡からありがとうございます。今回は大好きな2人とお話が出来るというところですごく自分自身嬉しい時間です。

廣瀬)
こちらこそすごい楽しみにしていました。

高村)
まずは廣瀬さんがどんな活動をしているかというところをお聞かせいただければなと思います。

廣瀬)
はい、ありがとうございます。皆さん改めまして、はじめまして。Tomoshi Bitoという会社を福岡でやっています廣瀬と言います。Tomoshi Bitoで僕らがやってるのは、今回のイベントもかなり親和性は近いかなと思うんですけど、いろいろ社会問題とか政治の問題がある中でそういったものに対してどれだけ当事者意識を持てる社会で作れるんだろうなってところに挑戦しているような事業になります。

で、やっていることとしては大きく分けて2つあるんですけど1つは社会派インフルエンサー事務所『RICE』っていうのをやっていまして、要はなかなか政治のこととか社会問題のことって今あんまり身近に友達とか家族とかそういうところで語れる空気なんてなかなかないんじゃないかなと思っていて。

むしろ政治のこととかだったらSNSで言ったら炎上するような、腫れ物扱いされてるんじゃないかというところで、そこをもっと身近に、普通にスポーツの話をするぐらいの感覚で語れるような空気感というのが出てきたらもっと気軽に政治のこととか関心を持ったりすることができるんちゃうかなと思っていて、そういう空気感を創るためにもっと影響力をもって世の中に社会的な事を発信していくような、めちゃくちゃ平たくてあのUUUMさんとかの社会派版みたいなのを作ろうみたいなんで、いま『RICE』っていう事業をやっています。

もう1つは学校とかに行ってそうした社会問題や変わるキッカケ、問題を解決するプロジェクトを作ってもらうような教育プログラムを作っていて、それを提供してたりしているような会社になります。よろしくお願いします。

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高村)
よろしくお願いします!すごいですね発信も、そして教育現場に立ってはるっていうのがすごく器用な事業で、もう少しその辺をこの後深ぼっていきたいなと思っております。よろしくお願いします!

はい、そして今回もう1人、あのマシンガントークの男を呼んでおります。一般社団法人リディラバ代表理事を務めていらっしゃいます、安部敏樹さんです。どうぞ!

安部)
よろしくお願いします。

高村)
いやー、ついに大阪にいらっしゃいましたね!じゃあ改めてですね、このリディラバの事業についてご紹介いただければと思います。

安部)
例えば突然なんですが、まずね今日ここにいらっしゃってるほんとえらいね。すごいですね。オフラインのイベントも最近本当なくてすごい楽しみにして来ました。てか、この会場のクオリティーヤバくない?

高村)
重要文化財というね(笑)

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安部)
いや、これすごいいいなと思っていて、全然いきなり話ししていい?

高村)
大丈夫です!

安部)
自己紹介もしないうちにね(笑)結構海外のカンファレンスとかに呼ばれて話をしに行くこともあるんですけど、そういう時って例えばその独立宣言した場所で政治のセッションがあるとか。

高村)
なるほど!

安部)
サイエンスだったらMITの真ん中でやりますみたいな事があったりして、やっぱりこう話をする場所とその場所の価値というのはその文脈が連動してるかどうかが大事じゃないですか。その意味でもいうと、今回政治の話をする時に裏に市役所があってと言う意味でも、非常に良い場所だなと思っいました。是非来た方とその時間を共有していけたらと思うんですけど。

その意味で僕の自己紹介。リディラバというですね、一般社団法人があるんですけど、もう12年になりました。大学3年時から初めて元々ボランティア団体だったんですけど5、6年してからかな。事業化していま何10人と雇いながら事業としてもやっています。ただその事業と言うのはある種の手段でしかなくて、「社会の無関心の打破」と言うのを理念にしておりまして、いろんな社会の問題や誰かの困りごとみたいなものに対して、結局その多くの困りごとって自分で頑張ってなんとかできるっていう問題のレベルじゃないことが多いのよ。

高村)
確かに。。。

安部)
で、なんでそう思うかというとやっぱこう昔自分がグレてたんですけど、グレてたときにその周りにいる奴らってろくでない人が多かった訳ですね。グレてると同じようにグレている人が集まってくるじゃないですか。そのグレてる奴ら同士でいる時に外からみたらある種の非行少年少女の集まりであるし、ヤンキーみたいな感じに見られがちなところがあるんだけれども、でもよく考えるとほとんど十代な訳ですよ私も含めて。

で、いろんな問題があった人たちだけれども私もそうだったけども、でもそれって全部俺らのせいなの?と思って。別に好き好んでこの家に生まれて、好き好んでこの地域に生まれてねーし、好き好んでよくわからない学校の先生のガチャみたいなので、その意味不明な先生に文句言われて学校なんて行ってらんねーなと思うこれって全部俺のせいなの?と思って。

でも大人も言ってくるじゃないですか「自分で頑張れ」って。でも、そんなん公立の学校でどうやって自分の先生選ぶんだと。頑張り用がねぇじゃないかって話だし、生まれた家の中で与えられた環境の中から自分で頑張れって言われても程度ってもんがあるでしょうという話しがある時に、やっぱこう実はほとんどの困りごとって1人じゃ何とも出来ないじゃんと思って、それをどうやったら多くの周りの人が関心持ってたりして、みんなで解決できるようなものにしていくのかということに対してもすごく関心がありまして、それを事業としてやっていると。

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これをもう少しブレイクダウンすると、その問題を見つけるっていう機能とその問題をみんなで共有するっていうのと、共有した後にそれをみんなで資源を出し合って解決するという3つのフェーズに分かれていて、例えば問題見つけるっていう話で言うと調査報道とかをするんです。

週刊文春の記者とかいるでしょ?アイドルの不倫報道とか、そういうの追ってた人たち。その調査能力をもっといい方向に使おうと。

高村)
そうですね!

安部)
アイドルのマンションに24時間ずっと張り込みしてるみたいなことの力をもっといい方向に使えるからというのがあって。そういう人たちと一緒に社会問題を調査してきたりするっていうメディアの仕事があったりとか。あとですね、共有する時は楽しくなきゃダメじゃない?

高村)
そうなんですよ〜

安部)
今日のテーマも「楽しく」だけど「楽しく」ってなんだろうなというと、いろんな楽しくがあると思うんだけど、もうこのカテゴリ絶対楽しいというのがあるじゃないですか。音楽とかね。今回、音楽もあって楽しいですけど、僕の場合は旅行って楽しいと思うんですよ。

高村)
確かに!

安部)
旅行は絶対楽しいカテゴリーなんでその旅行カテゴリーに社会問題を突っ込もうと思って、社会問題の現場を学びながら楽しめる旅行形式のスタディツアーを作っていろんな中学校・高校の修学旅行に差し込んでもらってるんですよ。

高村)
なるほどなるほど。

安部)
東京だとディズニーランド行って、次の日劇団四季みたいな。それはそれなんつーか二日使わんでいいんじゃないと。ディズニーランドとか修学旅行じゃなくても自分で行くと思うんで。

高村)
確かに確かに。

安部)
てなってくるとその時間のどっちか、全部をなくさなくていいんでどっちかだけでも社会問題の現場を見に行こうよと。意外に楽しいからという感じで旅行として体験してもらうという事業があると。

あとは問題解決する時は我々、調査の力があるのでこういう調査をしたり、実証事業をしていく中で政策を作ろうと。政策も結構作ってます。元々のきっかけは僕1人でやってるわけじゃないですけど、例えばみんな中高生に1人1台パソコンを持たせましょうという「ギガスクール」というのがありますけど、そういった教育改革の政策に関わってたりだとか、またロスジェネ世代という人たちの社会参画をどうやって促してきますかみたいな話があったりするんですけど、それで政策を作っていく。

あるいは国の場合は自治体と一緒に事業としての政策を作ったりもあるし、あと民間企業と一緒に共同出資として事業作ろうぜということでちゃんとお金が回る形にするから、CSRとかじゃなくていいからちゃんとおたくの会社でビジネスとしてやりましょうと。だってビジネスって結局、問題解決だからいけるっしょと。事業を作るみたいなことをやったりもしていてそれが最終的にはスピンアウトして別の会社にしたこともあったりします。ということをやってるまあ「社会問題なんでも屋さん」ですね私は。

高村)
すごい。最後は簡潔に社会課題何でも屋さんということで締めていただきましたが、見て頂いてね安部さんすごくたくさん引き出しがあるんでね(笑)

安部)
しゃべりが長いからね。

高村)
いい感じで僕と廣瀬君でガヤを入れていくようにしないといけないなと思っているところでありますが、じゃあこのテーマについてもう一度、抑えをさせていただきます。ここに出ている通り『わたしと社会』というテーマについてしゃべって行くと言うところで、今回は社会課題とエンターテイメントというところで僕らも活動していますが、その具体例を挙げつつですね、3つのフェーズを皆さんと共有できたらなと思っています。

まず1つ目は社会課題を解決すべき理由というものを皆さんが理解をすると言うことですね。なんで社会課題って解決しないといけないの?とか社会課題って何なんだろう?っていう所からブレイクダウンして行くような形になっています。

そして2つ目が社会からの解決には大衆の参画がねやっぱり必要になってきますので、その中でエンタメの力を使うことでよりそれを大きなムーブメントにできるねと言うところ皆さんと一緒に理解を深めていくと。

そして3つ目が、上の2つは分かったとその中でもじゃあ自分が1つアクションを起こすとしたらどういうことができるのかなというところを具体的なアクションプランまで落とし込んでいくというこの3つをこのセッションの中でお話できればなと思っております。改めてよろしくお願いします!

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『Dialogue.1「わたしと社会」〜なんで社会を変えようとアクションを起こすのか〜 書き起こし』へ続く

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