アヴァンギャルド

「現代の"アヴァンギャルド"(実験的、革新的な作品や人々)とは、なにか。」を探求するWebメディアです。コラムやインタビュー、イベントレポートなどを発信していきます。

webメディア『アヴァンギャルド』をつくりました

普段、エンタメ業界で仕事をする中で、そしてアーティストの方々と話す中で、つくりたいなと思っていたものをつくりました。

それがwebメディア『アヴァンギャルド』です。

今回はどんなメディアなのか?なぜつくったのか?などをお伝えできればなと、この記事を書かせていただきます。

 

と、その前にまずは自己紹介を。

発案者であり、編集長も務める僕、高村治輝は、小さい頃から音楽が大好きで、親に頼んでTSUTAYAに行ってはアルバムを10何枚借りては何度も聴きまくるという生活をしていました。そんな僕が大学に入ったときに音楽を始めたいと思いつきでDJをはじめたら、いろんなイベントに関わるようになり、ついには自分たち主催で音楽フェスも企画することができました。それからも音楽フェスを作り続けて今年で9年目になります。

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そして、その一方で他の音楽フェスや展示会、番組のロケなど様々な現場を仕事として任せてもらってエンタメの世界にどんどんのめり込んでいった僕は、エンタメの素晴らしい部分や逆に変わらないといけないなって部分をたくさん体験してきました。

エンタメはたくさんの人に笑顔と感動を与えて、生きる活力を生み出せるし、人が人らしくいれる場所。つまりは心豊かに生きるために必要なものだと思っています。今日、明日エンタメがなければ死ぬということはないでしょう。だけど、エンタメがあるからこそ生きる目的や目標が生まれ、人と人とが心を通わせられるんだと僕は思っています。

 

そんなエンタメの世界にも変わらないといけないことがたくさんあります。
大量のエネルギーを使うこと、大量のゴミを出すこと、過酷な労働環境や、作り手のモラルの欠如、誹謗中傷、、、などなどあげていけば大量に出てきます。
時代の変化とともにエンタメも環境に合わせてアップデートし、よりよいコンテンツを届けていかないと未来がない。そう僕は思っていました。

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そんな中で、今年になってエンタメ業界はコロナウイルスによって大きな大きな被害に遭いました。"リアル"を届けるのがエンタメの最大の武器なのに、その武器を取り上げられて裸一貫にさせられた感覚で、多くの事業者さんたちが今まさに苦しんでいます。

そんな時だからこそエンタメをアップデートできるんじゃないかなと思って、僕は『社会課題×エンターテインメント』をテーマに、新しいエンタメの価値提供のカタチを探ってきました。そのひとつが #政を祭に 変える『#vote_forプロジェクト』です。

そして今回、このwebメディア『アヴァンギャルド』も立ち上げました。

 

アヴァンギャルド(avant-garde)とは、

仏語で「前衛」。元々は「前衛部隊」を指す軍事用語であるが、先鋭的ないし実験的な表現、既存の価値基準を覆すような作品を名指すために19世紀頃から頻繁に用いられるようになった。「前衛(的)」という問題を主題化した美術史上の論考としては、C・グリーンバーグの「アヴァンギャルドキッチュ」(1939)が有名。その際グリーンバーグが「アヴァンギャルド」と呼んだのは、卓越した歴史意識をもって既存のブルジョワ文化を批判し、芸術的な作品/行為を通じて文化の推進と絶対的なものの探求を試みる作家たちのことであった。その成立時期が示唆するように、アヴァンギャルドというカテゴリーは近代芸術の展開(モダニズム)と不可分のものであり、無数の主義(ism)や様式(style)が現われては交替していく近代芸術の歴史は、前衛芸術の歴史そのものであると言うこともできよう。とはいえ20世紀も後半になると、「アヴァンギャルド」というカテゴリーそのものが歴史化され、「反アヴァンギャルド」的な作品・言説もまた誕生することになる。加えて、「アヴァンギャルド(前衛)」という言葉の内実が使用者によって異なることもしばしばであり、今日用いられている「アヴァンギャルド」という言葉を理解するにあたっては、その政治的、様式的、歴史的な含意にたえず注意を払う必要があるだろう。
DNP大日本印刷 - artscapeより抜粋

つまり『アヴァンギャルド』とは、既成の観念や形式をアップデートする先端的な取り組みであり、アヴァンギャルドという概念自体と闘い、塗り替えていくことが極めてアートだなと思っています。

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そんなwebメディア『アヴァンギャルド』にてカタチにしていきたいことはこのようなことです。

■アーティストの社会的アクションとそこに込めた想いを届ける

たくさんのアーティストと出会う中で、いろんなアーティストが歌を届ける以外にもプライベートで社会的なアクションを行なっていることを知りました。

とあるアーティストはアフリカの貧困国に学校を建て、たくさんのこどもたちの学びたい気持ちを後押ししています。また、とあるアーティストは街をクリエイティブな方法で綺麗にしている。

そんな中で彼ら彼女たちは広め方に難しさを感じていて、それはアーティスト故に、舞台では歌を歌うことにしかスポットライトが当たらないということ

もちろん彼らもアーティストなので歌詞やリズム、身振りやMCにも思いを込めて表現をする。けど、ステージを降りれば一人の人になるし、歌手であるからこそ音楽以外の情報は邪険にされ、ステージ外の活動にはスポットライトが当たらない。

そんな光景を見ていたからこそ、僕はそれを届けたいなと思いました。

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その中で大切にしたいのは、慈善活動としてではなく、表現の一環だというメッセージ。あくまでも"その取り組み"は表現こそが目的であって、社会的なアクションをすることがすべてだとは思っていないし、読者にも思って欲しくもないと考えています。

アーティストのすごいところはこの時代に生きる中で多くの人が感じてるけど、世の中の不条理・不満・不安や、希望・理想などを音と文字で表現することができる特別なスキルを持った人たちということです。

そんな彼らの感じていることを深ぼることで、いまの時代の働き方や生き方に大きなヒントを与えてくれるんじゃないかなと思っています。

 

■エンタメの魅力を突き詰めたい

エンターテインメントの素敵な部分にもっともっと出会いたいし、そしてそれをインパクトのある形で社会に発信していきたい。

と、思ったのも昨年開催したイベント『マツリゴト OSAKA 2020 The Forum』にて「過去のロックの学びとして、歌を歌っていても結局、社会は変わらなかった」という話が出てきました。

これはまぎれもない事実である一方で、僕はすごく悔しい気持ちになりました。

エンターテインメントはお遊びか?エンターテインメントは革命だ!という言葉をこのイベントの主題としていたのもきっとこの過去を自分も見てきたからでそれを改めて話をするとグッとくるものがありました。

でも、いまいろんな(歌手含む広義の)アーティストたちが社会的なアクションを起こしています。それはある種のトレンドであり、自然的な流れなんだと感じていますが、その流れにスポットライトを当てて多くの人に伝えたい。それがメディアをつくる理由です。

 

まずはこのnoteから。

更新を楽しみにしてくれる人がいれば嬉しいです。

2021年もよろしくお願いします!

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